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COLUMN

ニューヨークのアイビューティー

  • エッセイ

28.Jun.2021

ニューヨークのアイビューティー

In New York, Concrete jungle where dreams are made of, There’s nothing you can’t do

映画「SATC 」の主題歌でもある”Empire State of Mind”多く女性の耳に残ってる歌詞。意味は“ニューヨークにいるわ。夢が創られるコンクリートジャングル!できないことなんてない!“

「そう!ここはニューヨーク」

ニューヨークってどんな街?

ファッション!ビューティー!グルメ!と言えば昔はパリが最先端だったのを覚えている方も多いかと思うが、近年快進撃を続けている場所がニューヨーク!日本人が思うニューヨークのイメージは旅行で行くには遠いし、お金もかかるから「憧れはあるのに敷居の高い場所」と思うかもしれない。どんな街かというと、良いことも悪いことも分別がはっきりしている街。人に流されず、“新しい”を作る場所。ニューヨークの名前にもある様に“ニュー”「新しいヨーク」。冗談の様に聞こえるかもしれないがアメリカの土地名にはニューがつくことが多くある。そんな新しい街の住人は“新しい“を生み出すことが大好きなのだ。そして、世界で断トツに移民の多く集まる街。つまり、世界中の女性が集まる街でもある。私は、東京が世界で断トツに流行りに乗りたい女性が集まる場所ではないかと思っているが、ニューヨークは真逆だ。独自のファッション、ビューティー、グルメ。さらにLGBTへの多様な考え方からニューヨークは最先端を言っていると思う。ここでは統一して”ニューヨーカー“と呼ぼう。

ニューヨークのアイビューティー

そんな“ニュー”ヨークでのアイビューティーはどこまで進んでいるのであろうか?ニューヨークで有名な化粧品店を見てみてると、まつ毛関連エリアは実は地味なのである。なぜかというと、人種が多いのにも関わらず黒いマスカラが主流。付けまつ毛も黒。基本黒。アイラインにおいても黒が多い。では、黒いマスカラがたくさん並ぶエリアで何に注目して選ぶのであろうか?【長さ、ボリューム感、黒さ、持ち】といったとこだろう。その中で自分に合うものを選ぶのだ。ある意味究極の選択だと思ってしまう。

アジア系ニューヨーカーは自まつ毛の長さやボリュームがないので長さやボリューム感を好む、ラテン系ニューヨーカーは自まつ毛の長さはあるけどボリュームが欲しいからボリューム感を好む、白人ニューヨーカーは自まつ毛の色素が薄いまつ毛で短いことが多いので長さもボリューム感、黒さに追求しさらに滲まないようなウォータープルーフを好む。そして黒人ニューヨーカーはクセが強くまつ毛短いのでマスカラではなく付けまつ毛を好む。このように人種によって選ぶポイントが変わってくるのだ。

ニューヨークのマツエク事情

では、日本で流行っているまつ毛エクステはニューヨークではどういう立ち位置なのだろうか?マスカラの選択が人種によって千差万別で複雑だがマツエクはどのような人種が選ぶのか。それはマスカラと同様で人種によって求めるデザインやマツエク量や毛質、カール感が全く違う。そんな意識の高いニューヨーカーはマツエクを受け入れるのであろうか?

それは2010年頃に動き始めたと思う。まつ毛エクステをニューヨーカーは受け入れ始めたのだ。理由はニューヨーカーらしく、新しいことをやってみたいということと、ライセンス制度が整ったことだと感じる。2010年頃からアイリストという職業の認知が少しずつ高くなってきたのだ。ライセンスはニューヨーク州のコスメトロジストライセンスかエステティシャンライセンスを持っていればアイリストの職業に就くことができる。これによって誰でもできる職業ではなくなったのだ。

意外に思う人も多いかもしれないが、ニューヨークのアイリストはレベルが高い。何故レベルが高いかというと、サロンへ来店する人が様々な人種、性別であるということだ。例えば、”キャサリン“がマツエクをつけたいと予約が入ったとしよう。どんな”キャサリン“がくるのか?予約の際に「何系の性別はどちらのキャサリンですか?」なんて聞けるわけない。だからこそアイリストの腕の見せ所なのだ。お客様が来店した時に瞬時に判断し、お客様の求める目元に仕上げる。ニューヨークでは日本の様に本数指定のサロンは少なく、時間制のサロンがほとんどだ。一時間の予約で相場が100ドルくらい。だからこそ、人気アイリストの予約は取りにくい。ズバ抜けて上手く、そして早い。お客様が要望を言うことも少ない。気に入ったアイリストへの信頼は熱いのだ。これぞプロと言えるだろう。アイリストとしてニューヨークで働くことはアイリスト冥利に尽きると言えるかもしれない。

目元はメイクの中でも最も重要なポイント。それは全世界の人にとって共通なのである。日本人は外国人にマツエクなんか必要ないと思うかもしれないが、目元を華やかにしたいと思う気持ちは世界共通なのだ。

マツエクの流行から10年が経った今、ニューヨークのまつ毛事情やアイリストがどうなっているのか?新型コロナウイルスによってアメリカ国内の情勢が安定しない状態であり、多くのアイラッシュサロンやネイルサロンが厳しい状況なのは間違いない。だがそんな状況でもニューヨークは新しい何かを創ってくれると思う。日本では新型コロナウイルスの大流行でまつ毛パーマが流行っているがニューヨークでも流行るかもしれない。そして流行るときはさらに進化したもので。と同時にまつ育も流行るに違いない。科学の進化と時代の変化によって新しい時代が始まると思う。こんな状況ではあるが今後のニューヨークが新たな“新しい”が何か期待したい。