COLUMN
まつ毛ダニとは?目の不快な症状の原因にも
- エッセイ
12.Mar.2021
まつ毛ダニってご存じですか?
まつ毛ダニは、まつ毛の根元に生息するニキビダニの一種です。日本人の5人に1人の目元に存在するという報告もあります。
まつ毛ダニは、一度棲みつくと完全に取り除くことが難しく、また繁殖すると目の不快症状や疾患を引き起こすこともあります。
この記事は、まつ毛ダニの繁殖から目元を守る方法を紹介しています。
まつ毛ダニとは
まつ毛ダニの正式名称は、デモデックスです。毛根や皮脂腺など、人の皮膚に生息するダニであり、寄生虫の一種です。特に皮脂の分泌が盛んな部分で繁殖しやすい傾向があります。
人に寄生するまつ毛ダニは、現在確認されているだけで2種類います。それぞれ、まつ毛の根元と、マイボーム腺とよばれる瞼の縁にある皮脂腺に寄生します。主に、人体から分泌される皮脂などをエサにします。
まつ毛ダニは体調0.1ミリから0.4ミリと、とても小さいのが特徴です。そのため、まつ毛ダニを肉眼で確認することはできません。
ある研究によると、健康な日本人の約10%程度は、まつ毛の根元にまつげダニを保有していることが確認されています。とはいうものの、まつ毛ダニが人体に寄生すること自体は、特段問題ではありません。なぜなら、人や動物の血を吸うマダニやアレルギーを起こすヒョウヒダニなどと違い、まつ毛ダニが寄生しても基本的には無症状と言われるからです。
そんなまつ毛ダニですが、大量に繁殖するとまぶたに炎症を起こし、不快症状や目元のトラブルの原因になります。
まつ毛ダニが繁殖した場合に現れる主な症状は以下の通りです。
- まぶたの腫れやかゆみ
- 大量の目やにが出る
- ドライアイ
- まつ毛が抜けやすくなる
- まつ毛が生えにくくなる
- 結膜炎
まつ毛ダニの繁殖による症状が進行すると、角膜炎や結膜炎の原因になることがあります。さらに重症化した場合、視力が低下する恐れもあります。
まつ毛ダニ自体は目で見ることはできません。ただ大量に繁殖すると、目の不快症状の他にも、まつ毛の根元付近やまつ毛を取り囲むように、ネバネバした異物や乾いたフケのようなものが発生することもあります。
まつ毛ダニが発生しやすい人って?
①まつ毛エクステやつけまつ毛をしている人
まつ毛エクステは長期間つけたままにするため、目元に汚れが溜まりやすいです。目元に溜まった汚れはまつ毛ダニの格好のエサになり、繁殖の原因になります。
また、つけまつ毛はほとんどの場合、何度も再利用します。使用後のつけまつ毛の洗浄が不十分な場合、つけまつ毛に残った汚れが再び目元に付着します。雑菌が繁殖しますし、皮脂を伴う汚れはまつ毛ダニのエサになるため、目元がまつ毛ダニの温床になってしまいます…!
②アイメイクのクレンジングが不十分な人
ウォータープルーフのマスカラやアイラインは、長時間落ちにくいメリットがある反面、通常のクレンジングでは落ちにくい、というデメリットがあります。
粘膜部分にアイラインを引いたり、瞼のギリギリまでマスカラをつけるメイクをする場合はなおさら、目元にメイク汚れが残ってしまうことがあります。
諦めないで!まつ毛ダニの予防方法
①目元のクレンジングをしっかり行う
目元のクレンジングの際は、メイクするのにかけた時間以上に時間をかけて、しっかりメイクを落とします。なぜなら、目元は凹凸が多い曲線で、複雑に入り組んだ構造をしているからです。きちんとクレンジングしたつもりでも、思わぬ汚れが残ってしまいがちです。
目元のクレンジングには、アイメイク専用のクレンジング剤を使います。そして手で直接クレンジングするのではなく、コットンと太めの綿棒を用いて行います。目元の皮膚は、大変薄くデリケートです。手で擦ることで生じる摩擦やその刺激が、色素沈着の原因にもなることもあります。
具体的な目元のクレンジング方法をみていきます。
アイメイクを落としやすくするために、まずクレンジング剤を染み込ませたコットンを30秒くらい目元にのせます。
次に、クレンジング剤を染み込ませた綿棒でアイラインやマスカラを落とします。この時、綿棒で絡めとるように優しく拭き取ります。
最後に、新しい清潔な綿棒で、まぶたのキワや目頭、目尻に残ったアイラインもそっと拭き取り、下まぶたに残った汚れも優しく綿棒で絡めとります。
擦らないように注意しながら、そっと汚れを取り除くのがポイントです。
②アイシャンプーする
アイシャンプーは、まつ毛についた皮脂汚れを落とすことができます。目にしみにくく、刺激の少ない成分で作られているものが多いため、まつ毛の根元までしっかり洗浄することができます。まつ毛エクステをしている人はもちろんのこと、していない人も使えます。
特にまつ毛エクステをしていると、まつ毛エクステが取れないように気遣うため、目元のクレンジングをしっかり行うのが難しいです。アイシャンプーは、クレンジングで落としきれなかった汚れも取り除くので、目元を清潔に保つことができます。
また、まつ毛美容液を使っている場合は、まつ毛美容液の効果が得られやすいと言われます。なぜなら、まつ毛に残った汚れや油分もアイシャンプーが洗い流すからです。余分な油分が取り去られた状態の方が、まつ毛美容液は浸透しやすくなります。
③目元を温める
目元部分には、マイボーム腺とよばれる油分を分泌する器官があります。マイボーム腺から分泌される脂は、眼球を保護する膜を作るために使われます。
まつ毛ダニは、マイボーム腺にも寄生します。目元が冷えると、脂は固まります。固まった脂は、まつ毛ダニのエサとなり、大量繁殖の原因になることがあります。
そのため、目元を温めて脂を溶かし、汚れが溜まりにくくすることは、まつ毛ダニの繁殖を防するために有効です。
目元を温める具体的な方法は、蒸しタオルやアイマスクを利用することです。
まつ毛エクステをしている人は、まつ毛エクステに蒸しタオルやアイマスクが当たらないように位置をずらすなど、注意が必要です。まつ毛とアイマスクが接触しない、立体型のアイマスクもあります。立体型のアイマスクは、蒸しタオルや平たいアイマスクのように、位置を調整する手間がないので便利です。
④筆やブラシの洗浄、交換
メイク用の筆やブラシは肌に直接触れるため、皮脂や汚れが付着します。洗浄せずに何度も使うと、雑菌が繁殖するため不衛生です。こまめに洗浄して清潔に保ちます。
洗顔用のクレンジング剤で洗うと、筆やブラシが傷みやすくなります。専用の洗浄剤を使って、やさしく洗浄します。
まとめ
アイメイクは顔の印象を大きく左右します。安心してメイクを楽しむためにも、毎日のケアは欠かせません。
まつ毛ダニの繁殖は、目元を清潔に保つことで予防できます。特に濃いアイメイクをした日は、目元をていねいに洗って寝る習慣が大切です。